Q 地毛で結ってるの?
A はい。日本髪のカツラを被るチンドン屋さんもいますが、私は地毛で、30分位かけて、自分で結っています。
大きなステージの時や「芸者さん風」なんて言われた時はカツラを被ることもあります。
Q 家族なの?
A 家族じゃないです。 昔は親子、夫婦でやっているチンドン屋さんがほとんどでしたが、今は少ないんです。
長屋で皆で暮らしたりもしてません。各々の家から出勤しております。
Q 今めずらしいから引っ張りだこなんじゃないの?
A 残念ながら。。。 みなさんがどこにいってもめずらしい。とおっしゃるということは、それだけ見かけない。ということ。 お仕事が沢山あれば、チンドン屋になる人も増えて、めずらしくなくなるはずです。
今、北海道から九州まで、日本全国でプロのチンドン屋さんは100人もいない位。みんな知り合いの狭い世界でございます。これをなんとか打破する為に、後輩もたくさん続いてくれるように!!「チンドン好井」を立ち上げた次第でございます。
Q どうやってチンドン屋さんになったの?
A たまたま、知り合いの知り合いがチンドンよしの親方でした。人手が足りない繁忙期に、「芝居やってるなら、声も出るだろうから、ビラ配りで手伝ってくれないか。」と言われたのがきっかけです。
正直言いますと、「チンドン屋さん」て何なのか知らなくて、大好きだった点取り占い(駄菓子屋さんで売っていたおみくじ)でしか見たことなかったです。
初めて富山のチンドンコンクールに出た時は、今は他界されてしまった親方たちもいらっしゃって、「うわっ、こりゃすごいとこ来ちゃったな。バイト感覚でいれるとこじゃないぞ。」って、本業にしてしまいました。 親方たちには本当にお世話になり、多くのことを学び、生き様を魅させて頂きました。 人生は何があるかわからないものですね。
Q 何でチンドン屋さんやってるの?
A チンドン屋さんて、町の人にとっては、非日常。そして、直接お金を請求される訳でもない。見てもいい、見なくてもい、ずっと聞いててもいいし、ヘッドフォンしててもいい。誰も責任を感じる必要のない存在なんだと思います(勿論私たちはクライアントの期待に応えられるよう責任感じて働いておりますよ)。
だから、喜んでくれたり、邪険にしたり、どちらにしても、とてもオープンに接してくれるんです。
そしてそんな非日常なチンドン屋を通すから、年齢も仕事も関係なく、普段関わらない人たちが会話したり、接点をもったり、宣伝してるお店と繋がったりする。 そういうの、冥利につきる!って感じなんです。
良いことばっかりじゃないですよ。ひどい事言われることもある訳です。でも、その人も自分もあの人も、みんな同じなんだな。という感じ。これを味わえるのはチンドン屋の仕事以外にはなかったです。
もしも他にもあって、もっとお金になるなら、是非教えてくださーい。
Q どんな時にやりがいを感じる?
A 宣伝するお店、仕事内容によって、クライアントの求める客層はそれぞれです。街の流れを見て、どの時間のどの場所が今回のお仕事のベストかの予想を立てます。当然平日、休日によっても変わりますし、天候でも変わります。その予想外ピタッと当たり、満席に出来た時、そして「チンドン屋さんに言われたから来てみたよ。」て言われたら、すごーく幸せです♪
Q 目指すところは?
A 「人々に感動を与えたい!」とか大袈裟な事ではなく、出会った人が夜寝る前に「そう言えば今日チンドン屋さんに会ったな。何か楽しかったな。」クスッと思い出す。そんなちょっとした存在で有りたいです。